「専業主婦に価値はない?」見えにくいけれど確かにある「環境づくり」の力
「専業主婦は、ただ家事をしているだけ」
「何も生産性がない」
そんなふうに思われてしまうこと、ありますよね。
外で働いていないという点で「楽そう」「羨ましい」なんて言われることもあります。
でも、本当に「家事をするだけ」なのでしょうか?
たしかに今の時代は、共働きが当たり前になり、女性もキャリアを築くのが当然とされがちです。
けれど、専業主婦には“見えにくいけれど確かな価値”があると私は思うのです。
実際に仕事が終わってから、自分一人で献立を考え、料理をし、後片付けをして、洗濯機を回して干して、お風呂に入って……とすべてをやってみると、その大変さがわかるのではないでしょうか。
もちろん、器用にこなせる人もいるし、料理や家事が趣味の人にとってはそれが癒しの時間にもなるでしょう。
しかし、料理が苦手な人にとっては「何を作ればいいのかわからない」「考えるだけで疲れる」。お風呂が面倒な人にとっては、ただの「やることリストのひとつ」にすぎません。
だからこそ、スーパーのお惣菜に頼ったり、コンビニ弁当で済ませたりして、少しでも「自分の好きな時間」を確保しようとする人が多いのではないでしょうか。
それってつまり「家事は決してラクなことではない」という何よりの証拠だと、私は思うのです。
環境が与える影響はとても大きい
ここでひとつ、大切な視点をお伝えしたいのが、「人は環境によって、能力も気分も大きく変わる」ということです。
たとえば、スタンフォード大学の研究では、「散らかった環境にいると人は集中力を失い、ストレスを感じやすくなる」という結果が出ています。
反対に、整った環境では、気分も安定しやすく、創造性や集中力も高まりやすいそうです。また、他人との関係にも影響が出るというのです。
つまり、見た目には現れないけれど、「環境を整えること」には確かな力があるのです。
専業主婦がいることで家の中の環境が整い、食事が整い、洗濯物が片付き、空間が心地よくなる。それだけで、家族全体の“人生のパフォーマンス”が変わると言っても過言ではないと私は思うのです。
親の手間と愛情がつくる、快適な環境
義務教育を受けていたころ、洗濯をしてもらい、栄養を考えた食事を用意してもらい、お弁当を持たされ、帰宅すれば温かいごはんが出てくる日々を過ごす。
親が共働きだろうが片働きだろうが、一般的な家庭で育った人のほとんどが経験しているのではないでしょうか。
そんな当たり前の日常がどれだけ快適でありがたい環境だったのかを、大人になって実感しました。
私たちが学業に専念できたのは、「誰かが生活の土台を支えてくれていたから」で、まぎれもなく「誰かの手間と愛情」だったのです。
この「快適な日常を整える」という役割こそが、専業主婦の持つ価値の本質なのではないかと私は思うのです。
夫婦で経営する家庭という会社
また、夫婦はひとつの会社を経営するようなものだと私は考えています。
夫婦で築いていく家庭を「ひとつの会社」として考えたとき、どちらかが営業を担当して外で働くのなら、もう片方は経理や総務として社内を整える。
売り上げを立てるのは営業かもしれませんが、会社を回すうえで経理の存在は不可欠ですよね。
請求書も出せないし、業績も把握できません。備品管理や書類管理がされていなければ、必要なものをすぐに取り出すこともできません。
「売上を出す」わけではないけれど、確実に会社を支える大切な役割です。
給料という「目に見える数字」が評価されやすいのは、ある意味当然のことです。だからこそ、「数字では表せない」専業主婦の価値が見えにくくなってしまうのかもしれません。
しかし、見えにくいけれど必要な役割というのは、確実にあるのです。
価値観は人それぞれ
もちろん、何でも器用にこなせる人もいます。
料理も掃除も、家事も仕事も、一人でスイスイこなせる。そういう人にとっては、専業主婦の価値が見えにくいかもしれません。
先ほど会社経営でたとえたように、部署ごとに分けず、すべての工程を把握して、誰が欠けても補えるようにするほうが上手くいく場合も当然あるのです。
しかし、自分にとって価値がないからといって、「だからそれには価値がない」と言い切ってしまうのは、少し早とちりかもしれません。
それはまるで、「自分が見たことのない景色は、この世に存在しない」と言っているようなものではないでしょうか。
「本当に、絶対に、100%幽霊はいない」って証明するのが難しいように、「ない」ことを証明するのって「ある」ことを証明するより難しいと思うのです。
「他人の価値は、自分の物差しだけでは測れない。」
そんなふうに考えられると、お互いに優しくなれるのではないでしょうか。
実際に専業主婦になってみて
実際に我が家では、共働きのときよりも専業主婦になってからのほうが幸福度も高く、世帯年収も増えました。
夫は仕事だけを、私は家事だけを考えれば良いので、より精力的に取り組むことができるようになりました。また、夫婦ともに時間に余裕ができたことで、十分な休息時間も確保することもでき、仕事終わりでも趣味も楽しめるようになり、夫婦どちらにもポジティブな感情の循環が生まれたのです。
さらに、家事以外の時間で趣味をしていたら、徐々に稼ぐようになり、結果的に世帯年収もアップしたのです。
これは我が家のようなスタイルが正解とか効率が良いとか、そういうことを言いたいわけじゃないですよ。
世の中には「夫婦ともに働いていたほうが生き生きする人」もいれば、「我が家のように分担することで上手くいく夫婦」もいるってことです。
「どちらが正解か」を決めることではなく、その家庭に合ったやり方で幸せをつくることが大事なのです。
あなたはどんなところに専業主婦の価値を感じますか?

