「結婚したら子供を産むのが当たり前」という思い込みから解放された話
過去の私は、「結婚したら子どもを産むのが当たり前」だと思い込んでいました。どうせ産むなら若いお母さんになりたいし、そのためには早く準備したほうがいいよな…と、どこか焦るような気持ちもあったのです。
子供が欲しいなら基礎体温をつけたほうがいいと思い、アプリと連動できる体温計を購入し、
「いつから妊活を始めるか」
「産休・育休はどれくらい取れるのか」
「保育園には何歳から預けられるのか」
そんな未来のシミュレーションばかりしていました。
まさに“準備の準備”をしているような前向きさでした。
子供は2人欲しいし、若いお母さんになるなら何歳までに1人目を産んで…そうやって計画を立てていく中で、突然私はこう思ったのです。
「あれ?産みたくないかも…?」
1年後には妊活を始めて、順調にいけば2年後には出産して……と、自分の未来を思い浮かべた瞬間、ものすごく違和感を感じたのです。
“結婚したら子どもを持つのが当たり前”と思っていたけれど、本当に私は子どもが欲しいのだろうか?
「結婚=子供を産む」という思い込み
夫とは、結婚前から子どもの話をしていました。
- 結婚して子供ができたら専業主婦になりたいこと
- 子供は授かりものなので、できない可能性もあること
- 授からなくても、あなたと人生を歩みたいから結婚したいこと
不思議なことに、“できなかった未来”についても自然と話せていました。「絶対欲しいとは思っていないんだよね」という話もしていましたし、夫も同じように考えていました。
結婚後すぐ、私たち夫婦は注文住宅を建てることを選びました。
まだこの時点では子どもができる可能性を考えていたので、子ども部屋も作るつもりでした。でも、できなかった場合のことを思うと、部屋が“空白の存在”になってしまう不安もあったので、
- 子どもができたら仕切って子ども部屋にできる
- できなかったら夫婦で自由に使える
そんな“フリースペースのような大広間”にする設計にしました。
家が完成し、夫婦で生活を始めて、「次にやるべきことは妊活なのかな」と、私の中でそんな空気が自然と生まれてきました。まだ私は、結婚したら子どもを持つものだと思い込んでいたのです。
ここで冒頭に戻ります。
結婚したら子どもを持つのは当たり前だと思っていたけれど、本当に私は子どもが欲しいのだろうか?
そう自分に問い始めたのは、ちょうどこの頃でした。
私の幸せは“そこ”にない
違和感に気づいたあの日から、私は「産みたい気持ち」と「産みたくない気持ち」を見つめ直すようになりました。
“子どもを持つのが当たり前”という価値観は、私自身の本音というより、社会の空気に流されていただけだと気づいたのです。
その思いを夫に正直に伝えるのは勇気が必要でしたが、夫は「それでいいと思うよ」と穏やかに受け止めてくれました。
それでも、悩みがすぐに消えたわけではありません。
適齢期のこと、あとで後悔しないか、夫や自分の気持ちが変わったらどうするか、親に孫を見せられない申し訳なさ…。何度も揺れながら、私はそのたびに夫に相談し、ふたりで気持ちをすり合わせていきました。
理想の生活について語り合ううちに、結婚前から何となく感じていたことがはっきりしていきました。
“仕事・子育て・家庭”という一般的な幸せの形の中に、私たちの幸せはないのだと。
お互いにクリエイティブな趣味があり、その世界を広げることが生きがいになっている。ふたりで描く未来を思い浮かべたとき、自然と子どもの姿は登場しませんでした。
思い込みから解放されて
自分の気持ちを丁寧に見つめ、夫婦でたくさん対話を重ねた結果、私はようやくこう思えるようになりました。
「子どもがいる未来だけが幸せではない」
結婚したら子どもを持つのが当たり前。
そんな“正しさ”に合わせようとしていた頃の私は、どこかで自分の本音を置き去りにしていたのだと思います。
でも、自分と向き合い、夫婦で理想の生活を描き直してみると、私たちにとっての幸せは「ふたりで穏やかに、好きなことを続けていく暮らし」にあると、自然に分かってきました。
子どもを持つかどうかは、人によって答えが違います。
どれが正しいわけでも、間違っているわけでもありません。
大切なのは、社会の当たり前よりも、自分が心地よく生きられる選択をすること。
もし今、あの頃の私と同じように揺れている方がいるなら、どうか焦らず、ゆっくりと自分の気持ちに寄り添ってあげてほしいのです。
どんな選択をしても、あなたの人生はあなたのもの。
あなたが選んだ道が、きっとあなたにとっての“正解”になるはずだと私は思っています。

