「家事は分担制にしないほうがうまくいく」
「得意なほうがやればいい」

…というスタンスを選んだはずなのに、ふと気がつけば自分ばかり家事をしている。そんな経験はありませんか?

「気づかないパートナー」にイライラしてしまうのは、あなたが“よく気がつく人”だから。小さな変化や不便に敏感で、家の中の“違和感”にすぐに反応できる。それは一種の個性であり、暮らしを快適に保つための力でもあります。

とはいえ、気づいたことに自分ばかりが対応していると、「なんで私だけ?」という気持ちになるのも自然なこと。私自身も「パートナーよりも気づいてしまう側」で、つい「なんで気づかないの!?」と思ってしまうことがありました。

でも、相手にとっては“気づかないことが普通”だったりするのです。

だからこそ、「気づいてしまう力」を上手に使いながら、「気づかない人」とも協力していける方法を探ることが、自分を守ることにも繋がると思うのです。

「自分ばかりやっている」と感じる心の奥では…

「不公平だな」と感じるとき、心の奥にはさまざまな感情が潜んでいます。それはただの不満ではなく、とても自然で大切な気持ちなのです。

①認めてほしい

「毎日これだけのことをしているんだから、少しは『ありがとう』って言ってほしい…」
これは、単なる承認欲求というよりも、自分の努力や思いやりを見ていてほしい、感じていてほしいという、ごく自然な願いです。

②気づいてほしい

「なんでこんなに明らかにゴミが溜まってるのに、気づかないの?」
これは、生活を共にしているのに、目線が合っていないように感じる孤独感に近いものです。一緒に暮らしているのだから、同じ景色を見て、同じように動いてほしい──そんな気持ちの表れです。

③大切にされていない気がする

「私の負担に気づこうともしないってことは、私のことを大事に思ってないのかな…」
これは家事そのものよりも、関係性への不満や不安です。「ちゃんと愛されてるのかな?」「思いやりを向けてもらえているのかな?」と、パートナーシップそのものが揺らいでしまうこともあります。

④自分だけが“いい人”をやっている気がする

「私ばかりが我慢して気を利かせて、ずるくない?」
これは、一方だけが気を遣っているときに感じやすい“損している”感覚です。
相手が“楽”をしているように見えると、こちらが“犠牲になっている”ように思えてきます。

こうした気持ちは、どれも決してワガママな感情ではありません。
むしろ、健全な人間関係に必要な「分かち合いたい」「大事にされたい」という思いです。

だからこそ、こうした感情が湧いてきたときは、自分の内側の声を無視せず、相手と小さくても共有できるコミュニケーションをしていくことが大切です。

家事の不公平感を解消するヒント

気づかない人は、大きく分けると2つのタイプがいると考えます。

本当に気づいていない人気づいているけど面倒でやらない人。

前者の場合は、悪気が一切なく、家事や生活の優先順位が違うだけであったり、「相手のペースややり方を大事にしよう」と遠慮しているケースもあります。

後者の場合は、「そのうち誰かがやるだろう」と思っていたり、主体的に動く習慣がなかったり、責任感や当事者意識が薄く、“家事は自分の役割ではない”と思っているケースも。

どちらにしても伝えなければ気づかないままでしかないので、上手に伝えて不公平感を解消することが大事です。

対処法1:アピールし合って感謝を回す

「シャンプー切れてたから詰め替えておいたよ!えらいでしょ!」
「えらい!ありがとう!助かった〜!」

このくらい軽いノリで“やったこと”をアピールし合って褒め合う。そうすることで「ありがとう」の言葉が増え、見えにくかった“名もなき家事”が可視化されていきます。

「いちいちアピールするな」「黙ってやれ」という考えもあるかもしれませんが、それでモヤモヤするくらいなら、お互いに“やったこと報告”を日常の習慣にして、ありがとうの習慣につなげていったほうが、心地よく暮らせるのではないでしょうか。

対処法2:「お願い」として伝える

気づいているけどやらないパートナーに対しては、ハッキリ「お願い」として伝えるのが有効です。

  • 「やってよ!」ではなく「やってくれると助かる」
  • 「○○をしてもらえるとすごく安心できる」

というように、感情に寄り添った伝え方を意識する。

命令や説教のような口調になると相手は反発しがちです。協力して暮らしていくために、“伝え方”を工夫するだけで、驚くほどスムーズになることもあります。

対処法3:やらなかった場合の影響を説明する

「やらないことで誰かが困っている」
「やらないとこんな不便がある」

といった“結果”を伝えることで、相手の中に責任感が芽生えることがあります。

たとえば、「排水口を放置するとヌメるし虫がわくよ」「ゴミ出しを忘れると次まで1週間捨てられないよ」など、具体的な未来を見せること。

その際は「私は困ってしまうから、協力してもらえると嬉しいな」と、自分の気持ちを主語にして伝えることが効果的です。相手が困るかどうかではなく、自分の負担になるからお願いしているという構図を明確にするのです。

「私は困らない」は、ある意味で“当事者意識がない”というサイン。

そんなときは、「困る・困らない」という損得でなく、暮らしはふたりのものだと伝えることが大切です。

家事は「チーム戦」

気づくことが得意なら、その力を暮らしに活かす。ただし、それを自分ひとりで背負わず、相手と“共有”してこそ家庭というチームはうまく回ります。

もし何を言っても伝わらない場合、「やらない」という選択肢も持ってよいのです。たとえば、相手の部屋の掃除はしない、アイロンがけも必要なときに自分でやってもらう……というように。

「あなたが困らないなら私はもうやらないね」と宣言して、実際に家事を手放してみる。

実際にやらなくなってみて、初めてその影響に気づくこともあるのです。逆に、実はやらなくてもいい家事だったと自分が気付くこともあるのです。

ほかにも、便利な家電を導入して手放してみるのもおすすめです。

気づいて、伝えて、感謝して、褒め合って。

家事を通して、お互いの心地よさを育てていきましょう。